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2012.03/23 [Fri]
DVDではなく、Blu-rayであることのこだわり
10年越しの想いで、Blu-ray作品集がやっと完成しました。
完成したものを見ると、何で10年もかかるんだ?って思われるかもしれません。
そもそも10年前にはBlu-rayなんて言葉もなかったと思いますし。
Blu-ray作品集の中の作品解説にも書いたのですが、美術専門学校の卒業制作展で、他の美術学校の卒業制作作品(小さなアニメーション作品)に衝撃を受けて、
自分もいつかはアニメーションをやりたいって思ったんですよね。
屋久島に移住して絵で生活するようになったからには、そのアニメーション作品を販売できる形にするとなると当時ではDVDで販売という形でした。
だからDVD作品集を目指したわけです。
作品制作に入る以前に、アニメーション制作に関する専門知識が全く無いし、それを作るためにどんな設備が必要なのかも全く知識がありませんでした。
そんなことを聞ける人もいなかったので独学でやるしかありませんでした。
まずはMacG5が必要だな・・・。
このソフトを買えばいいのかな?みたいに。
僕の経済力からすると、とても高額な設備だったので、まずその環境を手に入れることが大きな壁でした。
その環境を手に入れるのに5年はかかったでしょうか・・・。
大切な原画を手放しても、それを生活費に回すのではなくMacに全て投資しました。
やっとの想いで環境が整ったところで、作品はともかくDVDとはどんなもんか簡単なスライドショーのようなものを編集してDVDを作ってみました。
その結果を見て僕は顔が青ざめたと思います。
あまりにも画質が悪すぎて愕然としたのです。
やり方が悪いのかいろいろ調査したのですが、編集ソフトの解説書にもDVDの画質に落胆することでしょう・・・なんて書いてあるではありませんか。
信じていたものに裏切られて、僕の夢が打ち砕かれたのです。
その画質ではやる価値が無いと思ったわけです。
ただ、HDサイズで焼いたDVDの画質は満足できるレベルでした。
でも、DVDにHDサイズで入れると、僅かな時間しか収録することができません。
話しになりません。
で、その当時はHDDVDとBlu-rayというものが出始めて、そこに望みをつないだわけです。
とりあえずHDサイズでテストを繰り返しました。
絵のスライドショーくらいならなんとかなるのですが、本格的なCGでレイヤーを何層も重ねて動画出力となると、とんでもない時間がかかるということが判明しました。
やっとの想いで手に入れたMacG5では性能的に話しにならなかったのです。
ということで、清水の舞台から飛び降りる勢いで8コアMacを購入。
それにともなって、動画編集ソフト総入れ替え。
CG関係のソフトなんかも入れたら、それまでにパソコン関係には200万くらいは投資たと思います。
上手く使いこなせないまま、次に移行して無駄にしてしまったソフトも多々ありました。
環境を手に入れても、それらを使いこなすのがまたチンプンカンプンでしたね。
分厚いマニュアルが何冊もあって、専門用語ばっかりで1ページを理解するの相当時間がかかりました。
マニュアルの最後の方にたどり着くのに何ヶ月もかかって、その頃には最初の方の事を忘れてしまうという悪循環に陥りました。
一年を通して普段から使っていれば覚えられたのでしょうけど、屋久島で日常の仕事をしながらとなると、全く使わないどころか勉強もしない日が殆どで、何年もの間、全く
前進することができませんでした。
シーズンオフは大阪に帰って、勉強に専念するようになってやっと少し前進できるようになりました。
そんな状態と並行して、世間ではHDDVDとBlu-rayの二つの規格が、Blu-rayに統一されました。
Blu-rayに統一されることで、フルハイビジョン規格が世間に普及するようになって、ディスクなんかも安くなるだろうな・・と思いました。
そして昨年の地デジ化。殆どの家庭でブラウン管テレビが薄型テレビに置き換わったと思います。
Blu-rayプレーヤーの普及も随分と進んだことと思います。
そして、Blu-rayディスクメディアも随分と安く手に入るようになりました。
個人で高画質の動画を安く手軽に受け渡しできるようになったのは、昨年後半からと言っても過言じゃないと思います。
僕が待ち望んだ時代がやって来たのです。
漠然とアニメーションをやりたいと思ってから10年もの月日が流れていました。
未だアニメーションの技術は無いので、動く絵画『宇宙に吹く風』と、今回、絵本『森の中で・・・』の中の、森の中を進んで行く動画レベルのことしか実現はできませんでしたが・・・。
その10年の間には、僕の創作意欲もぐちゃぐちゃになってしまいましたね。
絵で生活するということで、素直な表現をリアルタイムで吐き出さなかったことで、このイメージを吐き出したい欲求と、今の自分にズレを生じるようになったのです。
若い頃に持っていたイメージや感覚を今の自分が思い出しながら吐き出してるようなもんです。
だからなんというか、リアリティーに欠けるというか・・・。
サイトで綴っていた昔の日記を見返してみるとそのズレを感じますね。
昔の自分はなんて暗いんだろう。
写真もわざわざ暗いイメージの青を被せたりして・・・。
暗いんだけど、当時の心境が手に取るように伝わってきます。
今の僕は、写真をレタッチしても昔ほどブルーを被せることができないんですよね。
今の自分の感覚には合わないから。
ああ、なんか話しが反れたか・・・。
とにかく、今回のBlu-ray作品集は、内容的には自分が思う高度なレベルに達することはできませんでしたが、10年間待ち望んで出せたんです。ということを言いたいのと、
この10年で歪んでしまった自分をリセットして、これからは、今の自分の感覚で今自分が表現したいものをやって行くための節目とする作品集なんです。ってことを言いたいのです。
この作品集を節目に過去の自分を切り捨てるのです。
『縄文じいさんシリーズ』も、もう描きません。
何のしがらみも感じずに、素直に描きたいと思ったら描きますけどね。
屋久島にいたって、都会の絵を描きたいと思ったら描くし、大阪にいても森の絵が描きたくなったら描くのです。
何でもアリなのです。
そんな当たり前のことが出来なくなっていたのです。
まぁ、こんなこと書いてもなかなか理解してもらえないか・・・。
ということで、今回のBlu-ray作品集は、過去の僕のまとめなので、全体的に静かで暗いイメージが漂っていると思います。
人によっては、好みに合わないと思います。
縄文じいさんシリーズの一枚一枚の絵では、僕の人間性は一部しか現れていないと思います。
でも、こうやって作品集としてまとめて他のコンテンツも見てもらうと、僕の人間生が色濃く現れていて、買って頂いた方には予想していたのと全然違うって思われるかもしれません。
みんなに喜んでもらおうと、エンターテイメントに徹することができないのが僕の弱点ですね。(苦笑)
さぁ、これからの10年でどんな創作をしますかね。
アニメーションをやりたいって気持ちは全く失われていません。
でもその手法で何を表現したいかってことが、実は自分でもよく分からないのです。
しばらくは自問自答が続くでしょう。
でも、もう自分のありのままを表現するってことよりも、僕の思想的なものが反映されているものをちゃんと人に向かって表現できたらいいなぁと思います。
そのテーマが、人にとって普遍的なレベルに達することができたら尚いいんですけどね。
『つみきのいえ』とかは、個人でできそうな目標にしたいレベルの作品ですね。
絵のタッチやテーマも真似るわけにはいきませんが・・。
あくまでも自分のオリジナルで達成したいです。
僕にそんな才能があるかどうか・・・。
そうそう、僕一人の能力だけでやらなくてもいいんですよね。
映画を作るように、才能ある人達と一緒に一つのものを創るってのもいいですね。
少なくとも絶対に必要な音楽は自分では作れないですから。
長くなってしまいました。
言葉がスラスラ・・・とは言わないものの、沢山出てきたものですから綴ってしまいました。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。
完成したものを見ると、何で10年もかかるんだ?って思われるかもしれません。
そもそも10年前にはBlu-rayなんて言葉もなかったと思いますし。
Blu-ray作品集の中の作品解説にも書いたのですが、美術専門学校の卒業制作展で、他の美術学校の卒業制作作品(小さなアニメーション作品)に衝撃を受けて、
自分もいつかはアニメーションをやりたいって思ったんですよね。
屋久島に移住して絵で生活するようになったからには、そのアニメーション作品を販売できる形にするとなると当時ではDVDで販売という形でした。
だからDVD作品集を目指したわけです。
作品制作に入る以前に、アニメーション制作に関する専門知識が全く無いし、それを作るためにどんな設備が必要なのかも全く知識がありませんでした。
そんなことを聞ける人もいなかったので独学でやるしかありませんでした。
まずはMacG5が必要だな・・・。
このソフトを買えばいいのかな?みたいに。
僕の経済力からすると、とても高額な設備だったので、まずその環境を手に入れることが大きな壁でした。
その環境を手に入れるのに5年はかかったでしょうか・・・。
大切な原画を手放しても、それを生活費に回すのではなくMacに全て投資しました。
やっとの想いで環境が整ったところで、作品はともかくDVDとはどんなもんか簡単なスライドショーのようなものを編集してDVDを作ってみました。
その結果を見て僕は顔が青ざめたと思います。
あまりにも画質が悪すぎて愕然としたのです。
やり方が悪いのかいろいろ調査したのですが、編集ソフトの解説書にもDVDの画質に落胆することでしょう・・・なんて書いてあるではありませんか。
信じていたものに裏切られて、僕の夢が打ち砕かれたのです。
その画質ではやる価値が無いと思ったわけです。
ただ、HDサイズで焼いたDVDの画質は満足できるレベルでした。
でも、DVDにHDサイズで入れると、僅かな時間しか収録することができません。
話しになりません。
で、その当時はHDDVDとBlu-rayというものが出始めて、そこに望みをつないだわけです。
とりあえずHDサイズでテストを繰り返しました。
絵のスライドショーくらいならなんとかなるのですが、本格的なCGでレイヤーを何層も重ねて動画出力となると、とんでもない時間がかかるということが判明しました。
やっとの想いで手に入れたMacG5では性能的に話しにならなかったのです。
ということで、清水の舞台から飛び降りる勢いで8コアMacを購入。
それにともなって、動画編集ソフト総入れ替え。
CG関係のソフトなんかも入れたら、それまでにパソコン関係には200万くらいは投資たと思います。
上手く使いこなせないまま、次に移行して無駄にしてしまったソフトも多々ありました。
環境を手に入れても、それらを使いこなすのがまたチンプンカンプンでしたね。
分厚いマニュアルが何冊もあって、専門用語ばっかりで1ページを理解するの相当時間がかかりました。
マニュアルの最後の方にたどり着くのに何ヶ月もかかって、その頃には最初の方の事を忘れてしまうという悪循環に陥りました。
一年を通して普段から使っていれば覚えられたのでしょうけど、屋久島で日常の仕事をしながらとなると、全く使わないどころか勉強もしない日が殆どで、何年もの間、全く
前進することができませんでした。
シーズンオフは大阪に帰って、勉強に専念するようになってやっと少し前進できるようになりました。
そんな状態と並行して、世間ではHDDVDとBlu-rayの二つの規格が、Blu-rayに統一されました。
Blu-rayに統一されることで、フルハイビジョン規格が世間に普及するようになって、ディスクなんかも安くなるだろうな・・と思いました。
そして昨年の地デジ化。殆どの家庭でブラウン管テレビが薄型テレビに置き換わったと思います。
Blu-rayプレーヤーの普及も随分と進んだことと思います。
そして、Blu-rayディスクメディアも随分と安く手に入るようになりました。
個人で高画質の動画を安く手軽に受け渡しできるようになったのは、昨年後半からと言っても過言じゃないと思います。
僕が待ち望んだ時代がやって来たのです。
漠然とアニメーションをやりたいと思ってから10年もの月日が流れていました。
未だアニメーションの技術は無いので、動く絵画『宇宙に吹く風』と、今回、絵本『森の中で・・・』の中の、森の中を進んで行く動画レベルのことしか実現はできませんでしたが・・・。
その10年の間には、僕の創作意欲もぐちゃぐちゃになってしまいましたね。
絵で生活するということで、素直な表現をリアルタイムで吐き出さなかったことで、このイメージを吐き出したい欲求と、今の自分にズレを生じるようになったのです。
若い頃に持っていたイメージや感覚を今の自分が思い出しながら吐き出してるようなもんです。
だからなんというか、リアリティーに欠けるというか・・・。
サイトで綴っていた昔の日記を見返してみるとそのズレを感じますね。
昔の自分はなんて暗いんだろう。
写真もわざわざ暗いイメージの青を被せたりして・・・。
暗いんだけど、当時の心境が手に取るように伝わってきます。
今の僕は、写真をレタッチしても昔ほどブルーを被せることができないんですよね。
今の自分の感覚には合わないから。
ああ、なんか話しが反れたか・・・。
とにかく、今回のBlu-ray作品集は、内容的には自分が思う高度なレベルに達することはできませんでしたが、10年間待ち望んで出せたんです。ということを言いたいのと、
この10年で歪んでしまった自分をリセットして、これからは、今の自分の感覚で今自分が表現したいものをやって行くための節目とする作品集なんです。ってことを言いたいのです。
この作品集を節目に過去の自分を切り捨てるのです。
『縄文じいさんシリーズ』も、もう描きません。
何のしがらみも感じずに、素直に描きたいと思ったら描きますけどね。
屋久島にいたって、都会の絵を描きたいと思ったら描くし、大阪にいても森の絵が描きたくなったら描くのです。
何でもアリなのです。
そんな当たり前のことが出来なくなっていたのです。
まぁ、こんなこと書いてもなかなか理解してもらえないか・・・。
ということで、今回のBlu-ray作品集は、過去の僕のまとめなので、全体的に静かで暗いイメージが漂っていると思います。
人によっては、好みに合わないと思います。
縄文じいさんシリーズの一枚一枚の絵では、僕の人間性は一部しか現れていないと思います。
でも、こうやって作品集としてまとめて他のコンテンツも見てもらうと、僕の人間生が色濃く現れていて、買って頂いた方には予想していたのと全然違うって思われるかもしれません。
みんなに喜んでもらおうと、エンターテイメントに徹することができないのが僕の弱点ですね。(苦笑)
さぁ、これからの10年でどんな創作をしますかね。
アニメーションをやりたいって気持ちは全く失われていません。
でもその手法で何を表現したいかってことが、実は自分でもよく分からないのです。
しばらくは自問自答が続くでしょう。
でも、もう自分のありのままを表現するってことよりも、僕の思想的なものが反映されているものをちゃんと人に向かって表現できたらいいなぁと思います。
そのテーマが、人にとって普遍的なレベルに達することができたら尚いいんですけどね。
『つみきのいえ』とかは、個人でできそうな目標にしたいレベルの作品ですね。
絵のタッチやテーマも真似るわけにはいきませんが・・。
あくまでも自分のオリジナルで達成したいです。
僕にそんな才能があるかどうか・・・。
そうそう、僕一人の能力だけでやらなくてもいいんですよね。
映画を作るように、才能ある人達と一緒に一つのものを創るってのもいいですね。
少なくとも絶対に必要な音楽は自分では作れないですから。
長くなってしまいました。
言葉がスラスラ・・・とは言わないものの、沢山出てきたものですから綴ってしまいました。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。
完成・・オメデトウございます!
コレマタ素敵な集大成のBlu-ray作品集が完成しているではありませんか・・・
素敵な作品に仕上がったって思うのは
ド素人だからなんでしょうか??マダマダこれからも進化し続けて下さい
私も参加しようかな・・・
何か癒されそうなので~~もう30枚に達しましたか?
レーベル仕様どれも素敵なので迷ってます(笑)