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2012.06/20 [Wed]
鉄コン筋クリート

好きな映画を五つ選ぶとしたら、その一つに僕はこの映画を必ず選ぶでしょう。
『鉄コン筋クリート』です。
たまたまレンタルして、あまりにも凄いと思ったので限定版のDVDを購入したのです。
買ったのはもう何年も前のことですが。
僕は凄いと思いましたが、万人受けする内容じゃないだろうし、二人の子供が主人公だけど子供には見せられない映画でもあると思います。
ある方面にはとても評価の高い映画ですが、それぞれ評価している部分は違うような気がします。
僕の解釈では、原作者の松本大洋が本当に表現したかったことが、シロの台詞に込められているような気がします。
『オレ、夜は悲しい気持ちになるのね。』
ひたすら『死』について考えて、怖くなって泣いていた僕の子供の頃にそっくり。
あの何とも言えない切なくもやり切れない感覚を作品として目に見える形にしたかったんだろうなぁ。
そしてそれをマイケル・アリアス監督がアニメーションとして見事に具現化しています。
松本大洋の原作に惚れ込んで10年越しで実現したそうです。
映像化された作品よりも、原作の方が評価が高いのが常ですが、僕はこの作品は映画の方が優れていると思います。
原作には無い心象風景の表現がまた素晴らしいと思うのです。
マイケル・アリアス監督が増幅装置のような役割を果たしていると思います。
明るく元気で楽しい・・・ことだけが、人を幸せにするのではないと思います。
切なくて悲しい心の闇の部分があることを理解し合い、悲しみを分かち合えることで救われる魂もあると思うんですね。
ああ、なんか熱く語ってしまいました。(汗)
なんか精神状態おかしい人に思われるかな?
でもね、後で調べて分かったことなのですが、この映画はニューヨーク近代美術館(MOMA)が、2006年に発表された映画で最も優れた映画
と評価したそうです。
全世界の実写映画も含めた一番だから凄いですよね。
もう娯楽を超えて、芸術の域に達しているということだし、僕も初めて見た時にそう思いました。
さて、なんでこの話題を書いたかって言うと・・・・。
そう、ずっとBlu-ray版を待ち望んでいたのですが、北米向けにBlu-rayが出ていることを発見したのです。
画質の評価も高いですし、日本のBlu-rayプレーヤーでも再生できるのです。
取り寄せで時間がかかるみたいなので、屋久島に帰る直前にでも発注しようと思います。(笑)
屋久島に帰って、高画質サラウンドで鑑賞できる時が楽しみです。(笑)
でも一つだけこの映画で気に入らないところがあるんですよねぇ~。
最後の最後に、シロの目の前にクロが空から飛んで降りてくるシーンがあるのですが、その飛んでるシーンをあと3秒は長くして欲しかったなぁ~と。
心に溜まった重たいものを洗い流してくれるシーンであるように思うからです。
陰と陽の世界があって、僕のように陰の世界に生まれたと自覚のある人には、是非見て頂きたい映画ですね。
陽の世界に生まれた人は見ても分からないと思うので、お勧めしません。
適当に好きなことして楽しくお過ごし下さい。(笑)
NoTitle
今夜あたりDVDを観てみます^^